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2004/01/21

アナライザの種類

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ネットワーク
アナライザの基礎

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今回は、ネットワークアナライザの種類について説明します。

前回、ネットワークアナライザは、被測定物への入力信号、反射信号、透過信号をモニタしていると説明しました。信号は交流信号であり、Sパラメータは進行波と反射波を関連付けるパラメータですので、振幅と位相の情報を持っています。

この情報の取り扱いでネットワークアナライザは大きく2つに分けることができます。

表(a) スカラとベクトルネットワークアナライザ

種類 特徴
スカラ・ネットワークアナライザ 振幅(実際にはパワー)の情報しか取り扱わない。レスポンス校正しかできない。
ベクトル・ネットワークアナライザ 振幅と位相の情報、両方を取り扱う。ベクトル校正が可能。

レスポンス校正やベクトル校正については、後のトピックスとして校正を取り扱うときに説明します。

前回、最も基本的な例として、S11とS21だけを測定するネットワークアナライザの構成図を示しました。この例のように、ポート1側から信号を入力した時の測定を順方向測定と呼びます。ポート2側から信号を入力した時の測定は逆方向測定と呼ばれます。

ネットワークアナライザは、順方向の測定しか出来ないものと、全てのSパラメータを測定できるものと2種類存在します。これらは、テストセットと呼ばれる、信号を分離する部分の構成が異なります。

順方向測定しか出来ないものを、T/R (Transmission / Reflection)テストセットと呼び、全てのSパラメータが測定できるものは、Sパラメータテストセットと呼びます。

図(a)と図(b)にそれぞれの構成図を示します。2つの間で大きく異なるのは、Sパラメータテストセットでは、ポート2からも信号を出力できるように、切り替えのためのスイッチが入っていることです。また、逆方向の反射測定もできるように、ポート2側にもカプラ(方向性結合器)が使われています。


図(a) T/Rテストセット


図(b) Sパラメータテストセット

これらのテストセットの特徴は、表(b)のとおりです。

表(b) テストセットの種類

種類 特徴
T/Rテストセット 順方向測定のみ
Sパラメータテストセット Sパラメータ測定可能。フル2ポート校正可能。

フル2ポートについては、後で校正について説明するときに触れますが、正確な測定が必要な時に行うものです。また、スカラーネットワークアナライザでは、フル2ポート校正を実施することはできません。

以上のことを考慮すると、正確にSパラメータを求めるためには、Sパラメータテストセット付きのベクトルネットワークアナライザが必要だということが分かります。そのため、この連載講座の中で説明する内容も、Sパラメータテストセット付きのベクトルネットワークアナライザの話が中心となります。

次回からは、ネットワークアナライザで表示できるフォーマットについて色々と見ていきたいと思います。

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