今回は、群遅延について説明します。
群遅延というのは、電気長L [m]の被測定物を周波数f
[Hz]の信号が通過するのに、どれだけ時間がかかるか、を意味しています。ネットワークアナライザでは、フォーマットでDelayを選択すると、表示することが出来ます。
前回、位相の説明をした時に、線形特性を持つ被測定物では、位相は周波数に比例する、という話をしました。線形特性を持っているかどうかという評価は、信号を歪ませることなく伝達できるかどうかという評価になりますので、あるシステムの回路網解析をするときに、非常に重要な評価項目になります。
群遅延は、位相を周波数で微分することにより求めることができるのですが、被測定物が線形特性を持っていれば、群遅延はある一定の値になります。実際には、完全に一定の値になることはありませんので、ある範囲内に入っているかどうかを評価することになります。
群遅延(τg)は以下の式により求めることが出来ます。
ここで、周波数の微分幅dfは、何も設定しなければ、ネットワークアナライザで設定した、ポイントあたりの周波数間隔になります。この値は、全周波数スパンを100%として、アパーチャ(Aperture)で設定することが可能です。スムージング(Smoothing)をONにすると、設定したアパーチャが有効になります。
このスムージングアパーチャという設定は、少し特殊ですので、次回詳しく説明します。
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