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2004/01/12

集中定数と分布定数

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マイクロ波の基礎

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前回の、伝送線路の項では、線路長にくらべて波長が短くなると、集中定数ではなく、分布定数の考え方をしなくてはいけない、と書きました。では、これらの違いはどのようなものか、みていくことにしましょう。

先に、チップ部品についてみてみます。50オームの単純な抵抗を考えましょう。図(a)は、抵抗の回路モデルです。周波数が低ければ、このように、抵抗は単純に1つの抵抗として考えて何の問題もありません。

しかしながら、周波数が高くなってくると、図(a)のモデルではなく、図(b)の等価回路モデルのように、浮遊容量(C)やリード・インダクタンス(L)を考慮する必要があります。


図(a) 低周波での抵抗回路モデル


図(b) 高周波での抵抗等価回路モデル

図(a)、図(b)のそれぞれの回路モデルにおける、インピーダンスの絶対値の周波数特性を図(c)及び図(d)に示します。ここでは仮に、L=5nH、C=1pFとし、10MHzから10GHzまでの特性を表示しています。

図(a)では、当然ですが、周波数に関らずインピーダンスは常に50Ωとなっています。図(b)では、200MHz近辺までは50Ωの抵抗として機能していますが、2GHz近辺まではL、それ以上の周波数ではCとして機能しているようにみえています。

周波数が低ければ、どちらの回路モデルで考えても同じ結果が得られるので、簡便のために図(a)のように単純なモデルとして取り扱えばよいのですが、周波数が高くなってくると、実際の現象に近い、もう少し複雑なモデルとして扱わなければ、期待する結果を得ることが出来ない場合があるのです。

集中定数は、周波数が低い領域での近似的な考え方ですので、周波数が高い領域では、分布定数で考えなければいけないことが分かります。


図(c) 図(a)モデル周波数特性


図(d) 図(b)モデル周波数特性

次回は、伝送線路を分布定数で考えると、どのようになるかについて説明します。

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