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2004/01/13

デシベル

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マイクロ波の基礎

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今回はデシベルについて説明します。

デシベルはdBと記述し、デシベルまたはデービーと読みます。デシベルは2つの数値の比を対数で表したものです。

図(a)は、ある回路にP1[W]の電力の信号を入力したところ、出力がP2[W]であったことを表しています。この場合の入出力比をデシベルで表すと、以下のようになります。


図(a) 入出力比

これはデシベルの定義です。もし、入出力のインピーダンスがZで同じだったとしましょう。そうすると、式は次のように変形できます。

これらの関係があるため、特性インピーダンスZ0で統一された系の中では、デシベルが分かれば、対応する電力と電圧がすぐに分かります。

図(a)の例では、基準をP1にした相対値になっていますが、基準を1[mW]にすると、絶対値をデシベルで求めることが可能になります。1[mW]を基準にしたデシベルはdBmと記述し、デービーエムと読みます。例えば、-10dBmは0.1mWのことです。

スペクトラムアナライザ等を使用して、キャリア信号に対する、ある信号の比をデシベルで表すこともあります。この場合、基準がキャリアだということを明示して、dBc(デービーシー)という単位を使用します。

右の表(a)は、デシベルとリニアの電力比の関係をまとめたものです。ポイントは4つです。

  1. 0dBより大きければ、基準よりも大きく、0dBより小さければ、基準よりも小さい

  2. 10dB増減すると、電力比は1桁変化する

  3. 2倍は3dB、2分の1は-3dBである

  4. デシベルは足し算ができる

4番目の項目について説明します。電力比が20倍の時の、デシベルをみてみましょう。

表(a) デシベルと電力比(リニア)の関係

デシベル

電力比

20 100
13 20
10 10
3 2
0 1
-3 0.5 (1/2)
-10 0.1
-13 0.05 (1/20)
-20 0.01

20倍というのは、2倍と10倍を掛け合わせたものです。2倍は3dB、10倍は10dBですが、これらを足した13dBは2倍と10倍を掛け合わせた20倍になっています。

ですので、利得や減衰量が分かっている回路がつながっている場合には、それらのデシベルを足していくことにより、簡単にトータルでの利得や減衰量を求めることが可能になります。

今回はデシベルについて説明しました。次回は話をもとに戻して、反射係数以外の反射を表す物理量について説明します。

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