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2004/01/12

伝送線路

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マイクロ波の基礎

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回路設計等の場面において、取り扱う信号の周波数が高くなってくると、今まで経験をしたことがないような、不思議な現象が見られることがあります。

抵抗に信号を通しているのに、容量(キャパシタ)のように動作したり、500MHzのパルス信号を線路パターンに通しただけなのに、パルス波形が歪んでしまったり、等の予期せぬ結果が出てきて、困惑することもあります。

このような不可思議な現象は、なぜ起こるのでしょうか。

下の図を見てください。


(a) 低周波


(b) 高周波

これらは、ある長さの伝送線路に信号を通した場合の、電圧分布を図にしたものです。両者の間で異なるのは、使用する信号の周波数だけだとします。波長は周波数に反比例するので、図(b)に示した信号は、図(a)に比べて、周波数が高い信号です。

さて、これらの信号の電圧についてみてみましょう。図(a)では、どの場所でも電圧はほぼ一定の値になっていますが、図(b)では、どの場所でモニタリングするかによって、電圧値が異なってくことがお分かりいただけるでしょうか。

取り扱う周波数が急に高くなると、このような分布を考慮に入れて設計を行わなくてはいけなくなってくるため、今まで経験したことがないような現象に遭遇するようになってくるのです。

これらの線路を回路的に見てみると、図(a)では、どの場所でも電圧が一定であるため、一つの素子とみなすことが出来ます。このような考え方を集中定数回路と呼びます。

一方、図(b)では、場所により電圧が異なってくるため、伝送線路も、微小な素子が連なって一つの回路を形成していると考える必要があります。このような考え方を、微小な素子が分布している、ということから分布定数回路と呼びます。

これまで見てきたように、伝送線路に対して信号の波長が短い場合、線路の長さを考慮する必要がでてきます。一般的には、伝送線路の長さが、波長の4分の1より長い場合、分布乗数の考え方をしなくてはならない、と言われる場合が多いようです。

次回は、分布定数回路について、もう少し詳しく説明します。

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