ホーム >> 連載講座 >> マイクロ波の基礎 >> 終端負荷と反射

2004/01/12

終端負荷と反射

ホーム 連載講座 Tool 提供サービス リンク

マイクロ波の基礎

[ 伝送線路 ] [ 集中定数と分布定数 ] [ 伝送線路の分布定数 ] [ 終端負荷と反射 ] [ デシベル ] [ 反射量の表し方 ]

前回は、伝送線路の分布回路定数モデルというものを見てから、特性インピーダンスについて説明しました。今回は、特性インピーダンスZ0の伝送線路の先に、色々な終端負荷がついた時に、どのような反射が生じるのかについて説明します。

図(a)のモデルを考えます。信号源と伝送線路(ライン)は特性インピーダンスZ0でマッチングが取れています。この伝送線路に、とある負荷ZLを接続した場合に、反射がどうなるか見てみましょう。

信号は電圧だけを考えます。エネルギーは電圧の2乗に比例しますので、エネルギーとして考えても同じです。

負荷を考えるときに、3つの状態を基本に考えると理解がしやすくなります。

  1. ZL = Z0

  2. ZL = ∞ (開放、オープン)

  3. ZL = 0 (短絡、ショート)

これら3つは、最も極端な状態であると言えます。これらは今後、何度も出てきますので、覚えておいてください。


図(a) 回路モデル

図(c) ZL = ∞


図(b) ZL = Z0

図(d) ZL = 0

図(b)のように、ZL = Z0であればマッチングが取れているので、反射してくる信号はありません。

図(c)のように、開放端になっている場合はその先へ行き場がないため、信号はそのまま全て反射してきます。このように、入力した信号と、反射してくる信号の振幅(エネルギー)が等しい場合、全反射と呼びます。

図(d)のように、終端が短絡されている場合、信号は180度反転して全反射してきます。これは、短絡されている場所では電圧が常に0になっているからです。

入力される信号(入射波)の振幅を1として、どの程度反射してくるか、という量を反射係数 Γ で表します。Γ は ZL と Z0 を用いて、以下の式で求めることが可能です。

 

Γ は-1から1までの値を取ります。

反射係数は次のように表現することも可能です。

 

ρは反射係数の絶対値で、入射波と反射波の振幅比になります。φは入射波と反射波の位相差です。

反射係数の他にも、反射を表現する物理量があります。次回は、それらを見てみたいところですが、その前に、デシベル(dB)について説明します。

戻る 上へ 進む

オンサイトセミナ

[ ホーム ] [ 連載講座 ] [ Tool ] [ 提供サービス ] [ リンク ]

有限会社 フライハイ

〒211-0041

神奈川県川崎市中原区下小田中1-5-27-503

Tel::050-1117-7401

Fax:044-799-7401

E-Mail : support@flyhigh.co.jp


このサイトはリンクフリーです。 © Flyhigh Co., Ltd. Since 2003